子ども(小学生・中学生)のタイピング速度、タッチタイピングの技能については、国(文部科学省)による調査データ、大学や高等専門学校の研究論文で様々な情報が公開されており、簡単に内容をキャッチアップできるように要約と合わせてリンクを掲載しています。
研究論文
福島高専の情報基礎科目におけるタッチタイピング学習での学生の傾向について(福島工業高等専門学校 布施雅彦)
研究論文のPDFデータ
スマートフォンの普及によるタイピングリテラシーの低下に警鐘が鳴らされている背景から、文部科学省はタイピングスキルの向上に力を入れている。小学生は「10分間に200文字程度の文字が入力できること」、中学生は「10分間に300文字程度の文章が正確に入力・編集できること」を目標に定めているが、達成できている割合は小学生・中学生ともに10%未満である。また、高校生には「10分間で400〜500文字が打てること」を求めているが、こちらも10%未満である。
福島高専では、イータイピング株式会社のタイピング練習ソフト「e-typing pro」を使って指導を行い、独自に合格ライン(スコア)を設定した。練習実施初期における合格ライン到達者の割合は僅か8%程度であり、約90%の学生が合格ラインに到達できていなかったが、練習回数ノルマの提示、確認テスト結果の公開をすることで、学生の中で本気で取り組まなければいけない気持ちが生まれ、大半の学生が合格ラインに到達した。これらの取組みから、タッチタイピングのスキル向上のためには、コツコツとした地道な練習だけでなく、如何に練習者の「上達したい」「早く身につけたい」という感情を引き出せるかが重要である。